遠くに、ぼやぼやと大きな屋敷が見えてくる。
暗い緑色の屋根に、純白の壁。
まるで、西洋かどこかの城のようだった。
「・・・ムカつく。」
あそこでいつも三津谷が暮らしているのかと思うと、無性に腹がたつ。
ここからでは届かないことも分かっていながらも、弾丸を撃ちつけたくなる。
七海。
七海、七海、七海七海七海・・・・!
頭の中が、七海の表情でいっぱいになる。
笑った顔、照れた顔、すねた顔、困った顔・・・・。
そして今は一番、泣き顔が。
あいつは強がりだから。
きっと、泣いてない。
あいつの、心の重荷がもっと重くなるまえに。
伝えたいことがある。
どうか、どうか。
オレにもその重荷を背負わせて下さい・・・と。



