~守野柚希side~
このお化け屋敷は、長い。
だから、一番最初の非常口で出てきたオレと香我美は、同じグループのメンバーを待つことになった。
多分、ざっと一時間は待つことになるだろう。
まぁ、ということで今オレと香我美は休憩としてテーマパーク内の喫茶店にいるわけだが。
同じ学校のやつらの視線が、オレたち二人に集まっている。
「えー、やっぱりあの二人付き合ってたんだぁ~。」
とか。
「お似合いじゃ~ん。」
とか。
腸煮えくりかえそうな発言ばかりだ。
「・・・あのさ、話、場所替えようか、守野君。」
「・・・同感。」
あまつには店員の視線まで受け取ったのち、オレたちは喫茶店を脱出した。
・・・お化け屋敷のお詫びにと、香我美がおごってくれたソフトクリーム食いながら。