オレたちがスタート地点で順番を待っているとき。
係員が、

「屋敷の中は、必ず二人でしか入れません。」

などと言ってきたのだ。
オレたちは、三人。
誰かが、入れないではないか。
すると、後ろから声が上がった。

「え~!!どうすんの?ウチら、五人なんだけど!!」

甲高い女子の声が耳に入る。
すると、すかさず笹野が口を開いた。

「あのさ!オレらも三人で一人余るんだけど、そっちの一人と、こっちの一人で一緒にはいらない?」

答えはすぐに返ってきた。
OKだ。

こちらの班からは、ジャンケンで負けたオレが。
向こうの班は、あいつだった。

あいつ、とは香我美七海。