オレが扉を破った瞬間、生徒会メンバーの驚きの顔が目に入った。
三津谷生徒会長は、どうだろう。
同じように、驚愕の表情を浮かべているだろうか?
オレが生徒会長席に目をやると・・。
余裕の顔した三津谷生徒会長と、その隣に。
香我美、七海がいた。
香我美も、謝罪を求めにきたのだろうか。
しかし、香我美の表情からそうは思えない。
逆に、香我美が追いつめられているような青白い顔だ。
「・・・香我美?」
どうしたんだ、と言おうとするものの、香我美は
「・・・失礼しますっ。」
と足早にここを去ってしまった。
オレが、香我美の走っていった廊下に目を向けていると。
「どうした?一年一組Sランク、守野柚希くん?」
冷たい、三津谷生徒会長の声が耳に入った。
「一年の君が、こんな派手に生徒会室に踏みいるなんて・・・ずいぶんと図々しいものだ。」
「・・・うるせえよ。オレは、あんたが作った学校新聞について、話を聞きに来ただけだ。」
少しだけ、三津谷生徒会長が口角を上げた。
黒いサングラスが、キラリと光る。
生徒会長がサングラスって、笑いたくなるような光景だが、不思議とそれに違和感が無いのは、やはりこいつの顔つきが端正だからだろう。
「まず、何故あんな煽るような記事を出した?しかもあの記事の内容、ほぼ全てが捏造だ。」
「・・・だから?君は、僕に何をさせたいんだね?」
「単刀直入に言おう。・・・ここで、土下座しろ。」
周りの生徒会メンバーの空気が、凍り付く。