~香我美七海side~

あれから二日。
まだ、私は家にいる。
明日からは、私も守野くんも学校に行く予定だけれど。

思い出しているのは、この間、守野くんの家を訪ねたときのこと。
かわいい、キレイ、美人だなんて、今まで飽きるほど言われてたのに。
守野くんに言われたとたん、顔が熱くなるのを感じた。
いったい、何だったの・・・?

コンコン。
ドアをノックする音が聞こえる。

「お嬢様、夕食の時間でございます。」

「・・・えぇ。」

今日は、一ヶ月に一度の、婚約者との夕食。
本来なら、断りたいけど。

婚約者・・・三津谷祐一(みつや ゆういち)は性格がある一点においておかしい。
最近の言葉で表すのなら、やんでいるというのか。
ヤンデレ、という言葉があるらしいが、そのデレが無くなったバージョンだ。
・・・多分。

美しい女を、自分の手の届くところに閉じこめようとする。
実際、彼の自宅には、何人もの女性が閉じこめられていた。

私は、あんな男と結婚しなくてはいけないのか。
考えただけで、吐き気がするような思いだ。

私は、憂鬱に自室を出て、夕食会場に向かった。