~守野柚希side~

先生の体からは、絶え間なく血が溢れていた。
不思議と、汚いとは思わなかった。
むしろ、キレイだと、そう思う。

床にある扉を開くと、はしごが出てきた。

はしごをじょじょに降りていくと、先ほど嗅いだばかりの匂いが、ツンと鼻をつく。

この匂いは、死臭。
そして、血の臭いだ。

はしごを降りるたび、その臭いは強くなる。
地面に足が着いたときに聞こえた音は、コツリではなく、ぴちゃり、だった。