~香我美七海side~

いまだ、私の意識は若干重く、拘束されている両手両足の枷ははずれていない。
この薄暗い部屋には、どれだけ声を張っても響くだけで助けはこなかった。

もう、何時間たった?

外部と完全に遮断されているこの部屋では、さきほどの爆発音が少し聞こえた以外、何も聞こえてこない。

さっきの爆発音・・・。
アレは、この防音された部屋でも聞こえるほどなら、いったいどれほどの被害なのか。
それとも、すぐ近くでおこったのか。


部屋の扉が、ギィィィィと重々しい音をたてて開いた。

「やぁ。遅くなってすまないね・・・裏切りものの婚約者さん。」