視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



「…それって…どういう事…?」


「こちら側に帰ってこれたとしても、”心”を抜き取られた人間は【MOYA】の一部になる。…狂気に変わり果てるという事だよ…。」


私達の会話を黙って聞いていた長田さんは、
『…もしかすると…それが、不審者や殺人犯となるのか…。』
と呟いた…。




香里奈…っっ!!
おばさん…っっ!!


私は心の中で、そう叫ぶ事しか出来なくて…
ただ、ただ、涙を流す事しか出来なかった…


大輔は、そんな私の頭を自分の肩に引き寄せた。

長田さんは泣き崩れる私と、その私を慰める大輔を見つめた後、大輔に向かって話し出した。


「…では、清隆さんと尚子さんは、何故その様にならずに戻る事が出来たんですか?」