私は、片手を口元に当てて、踞って泣いた…。
大輔が私を好きでいてくれていた事を、こんな形で知るだなんて…。
なんで、その大輔は居ないの…?
泣き続ける私の肩を長田さんは優しく包んでくれて、私の手にしていた数学ノートを覗き込んだ。
「大輔君は、香歩さんが好きなんだね…。」
そう優しく呟いた長田さんに、私は答えた。
「…私も。……大輔が好きなんです。」
私がそう言い終えた後、長田さんは私を突然引き寄せながら後ろに後退る。
その行動に驚いて長田さんの顔を見上げると、長田さんは目を見開いて私の背後を見つめていた。

