視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


確かにそうかもしれない…。
香里奈は興奮して叫びながら【黒い靄】に訴えかけていた。
私は【赤い目】と視線を合わせながらも、受け答えはしていなかったから。
いや、出来なかったんだ…。

それなら…
次に【黒い靄】に遭遇した時に話しかければ、香里奈や大輔の所に行けるんじゃ…


私が黙り込んでそう考えていると、長田さんは、
『駄目だよ。香歩さん。闇雲に動いたらいけない。』
と、そう言った。


まるで私の考えなんてお見通しかの様に…。


「大輔も、香里奈も…助けたいんです…。」


泣き崩れながらそう訴えた。


長田さんは、私の肩をポンポンと叩いて、
『気持ちは分かるが、今はその時じゃない。』
そう私を諭そうとしていた。