視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


私の叫び声までが、その【黒い靄】に吸い込まれていく様だった。
私の声は、どんどん小さくなっていく…。


【赤い目】は、私の方をギロッと見つめてきた。


部屋の外には長田さんが来たのか、ドンドンと激しく戸を叩きながら何かを叫んでいる。


でも…戸はびくともしない…


【赤い目】を浮かび上がらせた【黒い靄】は、少しずつ私に近寄りながら、あの気味の悪い声で言葉を発した。




『モウ”時期”ダヨ…セツ…。』




ひとつひとつの言葉を発する度

部屋の壁から赤い血の様な物が

滲み出てくるのが見えた…




『帰ッテオイデ…。』




… ぴちょん … ぴちょん …




『サア、私ニ気付ケ…。』




天井から滴り落ちる程の…



――――・・ 赤い部屋 ・・――――



斉藤刑事は精神がどうかしてしまったかの様に、白目を向きながら呟いている…。



「あひゃっ…あひゃひゃっ…はひっ!!」





『話シカケルンダ…セツ!!』





―― びちゃっ!!