視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~




--- バンッ!!


斉藤刑事が乗っている車の窓ガラスを手で叩きつける。
運転席にいた斉藤刑事は、驚いた顔をして車外にいる私を凝視した。

斉藤刑事は窓を開けて私に話しかけてきた。


「なんだ。まだ1時間しか授業受けてないんじゃないのか?」


「それどころじゃないんですっ!休んでる友達の所に急いで行きたいんです!!連れて行って下さい!お願いします!」


私はそう言って、深く頭を下げた。

斉藤刑事は訝しげな表情をした後、後部座席に向かって、
『どうしますか?』
と、誰かに話しかけていた。

後部座席の窓には黒いスモークが施されていて、誰が乗っているのかは見えない。
だけど、朝、長田さんがいた事を思うと後部座席に居るのは長田さんだというのが打倒だと思った。

後部座席のドアが開き、そこからは案の定長田さんが顔を見せて、
『乗りなさい。どのみち同行するから。』
そう言って、私を車内に招き入れてくれたんだ。