視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


私は長田さん達の返事を待たずに、続けて話し出す。


「それで私…。大輔とは毎日メールをしていたから…そこにも何かあると思って、大輔とのメールを見ようとしたんです。」


「…何か他の事を打ち込まれてあったかい?」


「…何も。メールの受信も送信も…大輔とのメールだけが1通も残っていなかったんです。電話帳からも大輔だけ消去されてて…。私…それも記憶にないんです。いつもはメール消去なんて、しないのに。」


私がそう言い終えた後、斉藤刑事が口を開いた。


「キミ、何か隠そうとしているんじゃないのか?だから、メールを故意に消した。もしかして、図書館で会った犯人とも面識があるとかじゃないか?」


「それって…。どういう意味ですか…。」