視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


私はお母さんにすがり付きながら、机の上にあるスケジュール帳と携帯を手に取った。


「すっ…すみませんでした…。叫んだりして。ずっと疲れが取れなくて…幻覚を見たかもしれません。」


私がそう言うと、長田さんは、
『見せたい物があるって言ったね?その手帳かな?…その後に、”幻覚”の事も聞かせてくれるかい?少しでも情報が欲しいんだ。』
と、そう言って皆で階下のリビングに移動した。



ソファーに座り、私は長田さんにスケジュール帳を差し出した。

長田さんはそれを読み終えて、困惑した表情をしながら私に視線を向ける。


書かれてある事の意味が分かるはずもない。
ただの短い日記なんだから。


私は長田さんに、説明するように話し出した。