「私は、セツに優しく接する事が出来なくなっていた…。誰に触れられたかも、どれだけの男に抱かれたかも分からないセツにっっ!」
「……っっ。」
「だが…、セツが遊郭に行くようになってから半年が過ぎた頃、私は聞いてしまったんだ…。」
「……何…を?」
「セツを…”身請け”したいという男が現れた。…それが、塩谷清隆だ。数多の男に抱かれていると思っていたが、それは違った…。君は、塩谷に囲われて、他の男を客に取らなくても良くなっていたんだ…。」
栄がそう話している時、家屋の横に華やかな着物を着た女性が、行灯を手にして歩く姿が見えた。
あれは…
あの女性は…っっ…私?!
髪を綺麗に結い、この家屋とは不釣り合いの私…”セツ”の姿が現れた…。

