視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



「…あなた…狂ってるっっ!!自分の親が死んで当然なわけないじゃない!!!!」


「あの二人を、親だなんて思えない…。自分の子の不幸を招き入れたあの二人が!!!」


突然、栄は興奮したかの様に声を荒げた。
はぁ、はぁ、と、息も荒くしながら…。


「私達の家族は、部落民として差別を受けていた。そんな私達にろくな仕事が与えられるわけもなく、借金は増えるばかり。家族総出で働いても、生きていく事だけで精一杯だったんだ。…それが…セツが嫁いで半年が過ぎた頃…”銀蔵”という男がっっっ!!」


栄達家族が大変な思いをしてきた事は分かる。
だけど、それがなぜ両親の”死”と関係するの?
私が”セツ”なら、なぜ思い出せないの…?


それが…もどかしかった…