手紙を書き終えて、私は部屋を見渡す。 昨日から、ずっと【黒い靄】の気配を感じているのに、姿を見せない。 新たに引き込まれる人も居無くて、それは救われる想いだった。 私は部屋を出て階段を下り、お父さんのいるリビングに入って行った。 「お父さん…。」 私が声をかけると、お父さんは俯いていた顔を上げて私を見た後、大きく目を見開いて私の後方を指差した。 振り返って確認しなくても、この気配だけで分かったんだ。 そこに、【黒い靄】がいる事を…。