----
--

雨の惨劇から二日後…。


喪服を身に纏った私は、小さな箱に収められたお母さんを目の前にしていた。

お母さんは、救急車が着いた頃には…
息を引き取っていたんだ…



元々、親族だけでの葬儀を望んでいたけれど、近所では大輔の家以外の人は誰一人として参列しなかった。

お母さんと、あのおばさんが”怨恨”で殺し合いをしたのだと、陰で言われていたからだ…。


私と大輔の二人は、目撃者として事情聴取を受け、私はその時に、
『あれはお母さんじゃないんです!!【黒い靄】に体を操られていただけなんです!!』
と見たままに話したけれど、そんな”精神異常者”の様な発言をした私の話しなんか、聞き入れてもらえるはずもなかった。