血を流す大輔に、私は手を伸ばしたけれど、大輔は私の肩を掴んで自分の背後に隠す様にして追いやった。
大輔の背後から前方に目を向けると、そこには、サバイバルナイフを手にした女性が立っているのが見えた…。
「あ…あの人…っっ。」
目の前に立っていた女性は、学校帰りにいつも井戸端会議の様に話していた、近所のおばさんだったんだ…。
「セツ。私の後ろから出てきてはいけない!」
「でも…っっ。ねぇっ!逃げようよ!!」
「ダメだ。君の家に逃げ込んだら追い込まれてしまう。あの女性は【MOYA】なんだっ。」
「え…。」
じゃあ、あのおばさんは【黒い靄】に取り込まれた後、”心”を抜き取られたの…?
私達が二人でジリジリと後退りした時、そのおばさんは何かを呟きだした。

