視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



「神崎さん!!今すぐ私をこの部屋から出して下さい!!」


迷っている暇は無かったんだ。

私が閉じ込められていると誤解している。
それなら、私がまずこの部屋から出る必要があった。

直接、【黒い靄】に話し掛けて否定出来ない事がもどかしかった…。


神崎さんは、取り乱した私を落ち着かせようと私の名を何度も呼んだ。


そんな事してたらっっ
間に合わないっっ!!



私は手に装着された機材を引き剥がし、立ち上がって透視鏡に駆け寄った。



「長田さん!!私をここから出して下さいっっ!!早くっ!!お願い!!!」