視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


私の笑顔を見た神崎さんは、満足そうな顔をした後、
『それじゃあ、質問するね?』
と言って、機材のスイッチをONにした。


「えっと…。私は質問に対して全部”いいえ”と答えればいいんですよね?」


その私の質問に、神崎さんは笑いながら、
『そういうやり方もあるけれど、本当に簡易的な検査だから普通に答えてくれればいいよ。』
と、私に教えてくれた。


「分かりました。」


「じゃあ…君の名前は”市川香歩”さんで合ってるかな?」


「はい。間違いないです。」


「香歩さんと村井香里奈さんとの関係を教えてもらえるかな?」


「はい。村井香里奈は私の親友で、クラスメイトです。」


最初は、そんな他愛のない質問を繰り返していた。

それなのに神崎さんは突然、質問を変えたんだ。




「香歩さん。斉藤刑事が、憎いですか?」