そうおどけて言う私に、
『装着するから、右手出してくれるかな?』
と言って、椅子から立ち上がった。
私は黙って右腕を差し出した。
神崎さんは、坦々と装置の接続部らしき物を、私の指先、手の平、手首に取り付けていく。
緊張しながらそれを見つめていると、神崎さんは突然、
『長田さんは凄い甘党でさ?差し入れのケーキ、10個もあったのにぜーんぶ一人で食べちゃったんだよ?酷いでしょ?』
と話し出したんだ。
酷いっていうか…
あの渋い顔をした長田さんが?
不似合いすぎるっっ
そう思った私は、思わず
『ぷぷっっ!』
と、吹き出して笑ってしまった。
神崎さんは、私の緊張を解こうと話してくれたんだろう。
その後、私は自然と体から力が抜けていったんだ…。

