視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



「えと……はい。」


「大丈夫だ。あの透視鏡があるだろう?」


「透視境?」


「マジックミラーの事だよ。」


「は、はい…。」


「あの透視鏡の裏側の部屋に、私はいるから。」


と、そう言った長田さんは、この取調室の隣にあった戸を、指差して言った。


「…分かりました。」


「斉藤が鬱病になってしまったから…。香里奈さん達の失踪に関する事を、私からしか情報を得られなかったんだ。だから、君にポリグラフを使用して聴取するんだと思うんだ。」


「…はい。分かりました。全部、素直に答えればいいんですよね?」


「そうだ。それでいい。」


と言って、長田さんは私を安心させるかの様に微笑んだ…。