視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


お母さんは、キョトンとした顔をして話し出した。


「何言ってるの?香歩じゃない。」


「え?だって…この子…。」


「昔は病弱だったから、痩せてたし。あまり面影がないからかしらね?」


「や、そういうんじゃなくて…」


ていうか、私、病弱だった…?


困惑している私に、お母さんはわりと新しい感じのアルバムを持ってきて、それを開いてまた私に見せた。


「ほら。これ見て。中学の入学式の時の写真よ?大輔君と写ってるけど、この日も熱を出して式の直前まで額に冷却剤を貼ってたんだから。」


「そうそう!香歩、恥ずかしいからとか言って、すぐ剥がしてたよな。アハハッ!」