視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


それは送信側も同じ。
香里奈のメールは一つも無く、大輔へのメールばかり。

最後に電話帳の登録者名を確認した。


「やっぱり…香里奈のだけ何もない…。」


私は確認したままを長田さんに伝えた。


「やはり、失踪者だけが消されるという事か。」


と言って、続けて今までの出来事を答えあわせするかの様に、私と話を続けていく。

その間、大輔は黙って私達の話を聞いていたけれど、自分の知り得ない事ばかりの話題に困惑するばかりで、既に視線は窓の外。



でも、それでいいと思った。


大輔は、こうして無事帰って来たのだから…。