視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



「でも…なぜ、長田さんは覚えて…。」


と私が言いかけた時、長田さんは、
『これのおかげだよ。』
と言って、手にしていた水色の手帳を持ち上げ、私に見せた。


「私は必ず捜査の時にはメモを取る様にしていてね。勤務に入る前には欠かさずこれを確認する事にしているんだよ。」


「でも、ボイスレコーダーは…。」


「あれは、補助だよ。だが、それも使い物にはならなかった。大輔君の家でも使ったはずなんだが、ノイズしか残されていなかったんだ。」


「そう…なんですか…。」