視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



「願い事が叶うと、戻れるんです!」


と、立て続けにおばさんは言った。

長田さんはメモを取りながら、次の質問をしたんだ。


「何を願ったんですか?」


「…えっ?…それは。」


おばさんはそう呟いた後、さっきまでの勢いはなくなり言葉を濁した。

長田さんはまた大輔に向き直って、
『清隆さんは、何を願ったんですか?』
と、大輔にも問う。

大輔は俯きながら、
『…覚えていないんです。』
と、そう答えたんだ…。