胸のウズウズが頂点に達したとき
ようやく"ようせい"にたどり着いた。


そして声をかけたんだ。
たくさんの好奇心とほんの少しの照れも持ちながら。



「なまえはなあに?」


すると俺にまったく気づかなかっただろうあの子は驚いた顔をして

そしてすぐ、顔をしかめた。


(きっとくしゃみを我慢してたんだ)

今考えればわかるんだけど。
当時の俺に理解できるわけなくて。