時折吹くまだ少し冷たい風に 思わず体が震えた。 (桜はまだだな…) 蕾は開いていないけれど、もうすぐ春だと感じさせる。 (…春か。) 春は…あの子の季節。 君は、もう忘れてしまったかもしれないけれど。 俺は…この春のにおいと一緒に あの想い出を胸にしまってある。 春がくる度に またあの想い出から一歩遠のくようで少しさみしくなるんだけど。 (俺はあれを、いつまでもわすれないんだろうな…) あの子と出会った…あの春を。