「もういいから」
あたしが言うと篠原は龍輝から離れた
「ごめん龍輝
気をつけるから」
「おい!」
「いいの
あたしが悪いのは確かだし
七海先戻ってて」
「…うん」
あたしは背を向けて再び体育館に向かうことにした
「柊待てよ!」
篠原が追いかけてくる
あたしの腕を後ろから引っ張る
「いいのかよ
あんなに言いたいこと言わせておいて」
「仕方ないじゃん
先輩に言いすぎちゃったのはあたしだし
龍輝があたしの味方じゃないのは分かり切ってる
篠原があそこでキレてくれてそれだけで十分」
笑えはしない
でもちょっとだけ気持ちは晴れていた


