「澄空」 温かい声でそう呼ばれて振り向く そこには彼の笑顔があった 「何してんの?」 「夕焼け」 あたしは指をさす 「明日は晴れだね?」 「だろうな」 彼も空を見上げる あの日彼があたしを見つけていなければ 今のあたしはない きっと今も自分を作ることに必死で 自分から逃げ続けていただろう 「澄空 行こうぜ」 彼がそう言ってあたしに向かって手を差し出す 「うん!」