「ん?」 あたしに向けられた顔は いつもの永遠でちょっとほっとした 「柊澄空ちゃん?」 朝香さんがあたしを見る 「はい」 朝香さんはすごく美人 でもそれがもったいないくらい なんとなくやつれているようだった きっとまだ乗り越えてないんだ 「ごめんなさい」 頭を下げられる 「いくら沙織に頼まれたとは言っても あたしが止めればよかったのに 本当にごめんなさい」 声が震えている 体験した人にしかわからない あの瞬間の恐怖がひしひしと伝わってくる