「お姉ちゃん…っ!」


普段喧嘩ばかりしていた妹


「あぁ…っ」


いつも笑顔だったお母さん


「…っ」


無口で頑固なお父さん


皆が泣いてる


…私…

しんだんだ…


なんで…


「お父さん…お母さん…芽衣…」


体に触れようとしたが


スッ―


え…


体がすり抜けてしまう


「やだ…なんで…」


私まだ
やることいっぱい
あるんだよ…


お母さんお父さんと
喧嘩したままだし

芽衣にも謝らなきゃ
いけないことが
あるんだよ

それに
恋もしたいし…っ

将来の夢も…っ

いっぱい…

いっぱい…っ


「…っ」


涙が溢れだす


触れることも
話すこともできない


もう


何もできない


「…っ…」


涙が止まらなかった


いつもの日常が
一瞬で失われた


もう、ここには
いられない…


「みんな…さよなら…」


泣き叫ぶ家族を
おいて私は家を出た