私は考え事をする。
多分、空くんっていうのは
私のお友達だと思う。
分からないけど、私はそう確信したい。
でも全部が全部忘れたわけじゃない…
ただ、その"空くん"という人物が
思い出せないだけ…
空っていったら…
私は窓を見る。
あの綺麗な青く澄んだ空だけしか思い浮かばない。
その"空くん"っていう人も心がすごい綺麗だったりして…ね。
でも、会ったら…私にとっては知ってるけど…知らない人…。
うまく話せるといいんだけど…
私はあれこれ考え、ベッドに体を休ませた。
それに…
『何もしないより誰かと話した方が何か思い出すでしょう?』
看護師さんが言った言葉を思い出す。
ちゃんと強く生きよう。と思った…。
思ったけど…
私がもしこの世から
いなくなるとしたら…
記憶を思い出す必要は…あるのかな?
そんなマイナスな思考を頭の中でぐるぐる回転させた。
私はまた携帯を見ると1時になっていた。
時間とは早いものだ。
もう昨日のことなんて忘れてるかもしれない。
誰も何とも、思わないからだ。
思い出なんて私には儚く消えてしまう。
私には"今"を生きるのに精一杯だしね。
私の"未来"はきっとないかもしれないし。
だから、誰にも言えないけど
自分の、名前なんて
嫌い。
大っ嫌い。
お母さんが一生懸命に考えてくれたのかもしれないけど…
どうせ私には"未来"があるかなんて分からないんだから…
わざわざ、"未来"なんて名前つけてほしくなかった。


