「で、一つ報告が。」
「はい?」
私はドキドキしながら次の言葉を待つ。
「白雲さんの担当者が変わるから。」
これが、"あの事"だったのかなぁ??
私はその事については、分からなかったけど、その言葉に
ちゃんと頷いた。
「あと…記憶について…今は多分少し忘れてるだけだけど…」
なぜか声のトーンが下がった。
「記憶は枝のように複雑に分かれているからね。
でも何かきっかけがあれば、思い出すと思う。」
私はそれを聞いて俯いてしまった。
記憶を無くしたのか…
きっと思い出せるはず…
いや…思い出さないと…
それから…看護師さんに…
「何もしないより誰かと話した方が何か思い出すでしょう?」
と、言われた、
それから私は病室へと戻っていた。
話は長くて短かった気がした。
私はまた携帯を開く。
いつのまにか、12時に…


