「まだ…いてほしい…。」
俯きながらかすれた声で私は言い、服をぎゅっと掴む。
「…。ダメだ。」
空くんは冷たい声で私の手に触れ、服を離させる。
私は何もできなく、下を見ていることだけしかできなかった。
「じゃあな。」
それから、空くんは何も言わず
別れだけを告げ病室から出ていった。
…どうしよう…。
なんで、私こんな泣きそうなんだろう…
別に、ダメだ。って言われただけ…
空くんだって本当は忙しかったかもしれない…
しょうがないのに…
なんでこんなに涙が溢れそうになるの?
まるで空くんに突き放されたみたいって…
私は悲劇のヒロインの"フリ"??
いつのまにか、晴れた心は
また閉じようとしていた、


