空に染まる白い雲。






「…?」


私が何かしているのかを気づいたのか…





私の方へ向く。




「わっ!動かないでっ」




空くんは首を傾げ、また空を見つめた。










私はそのうちにどんどん仕上げていく。






空くんの顔、改めて見ると
すごくかっこいい…。





整った顔に、少しぼさっとした黒髪。

目も綺麗。


がっしりした胸…。






私は手が止まり、空くんに見入った。






「…白雲…?」


そう低い声で呼ばれ、私は我に返る。




「ご、ごめん…もうすぐで仕上がるよ。」



私はそれから、上半身部分を描いて

「完成っっ」と叫んだ。







「ちょ…しー…」


慌てて空くんは、私の唇に人差し指をあてる。





「今、結構響いたよ。」



そう私に指摘する…。









…いつまでこの指私の唇から離してくれるのかな……。







私が空くんを見つめていると…



「お前…さっきから、見つめすぎだろ…」



そう言い顔を真っ赤にさせた。







「だ……って。」



私は唇をモゴモゴと動かす。





「あ、わり。」


やっと人差し指を離してくれた。





さっきより顔を真っ赤にさせていた。






…なんか…




可愛いかも…。






私はクスッと笑ってしまう。







空くんは眉を下げ私を見ていたが

私は空くんの顔の赤みが徐々に消えるのを気にしながら



やっとの事、完成した絵を空くんに見せる。







「これ…おれ…?」


私は頷く。

「ちょっと描いてみた。すごく綺麗だったんだもん。」






私は窓の先にある空を見ながら言った。