ーー…「まぢでやんのか…」
俺の片手にはバスケットボール。
「さぁ、空くーん?頑張りましょねー♪」
大樹は俺が持っているバスケットボールを見ながら言った。
はいはい。
「じゃ、先に五点取ったほーが、「未来ちゃんと二人きり♪」
なぜか、俺の言葉を遮る大樹。
あー…ムカつく…。
負けたくない。
それから、看護師さんが審判してくれ
始めの合図が…
俺は大樹の先にあるゴールをチラッと見る。
それから一直線に向かい走る。
ゴールいれれば、一点。
俺はバスケットボールを右手でドリブルしながら
大樹を抜く。
だが…。
俺の右手にあったバスケットボールは
いとも簡単に大樹が奪った。
俺は振り向くのに遅れ、大樹はそのすきにゴールの近くへと行く。
俺が一歩あるいた時……
シュッ…
と、ボールはゴールに吸い込まれた。
俺が大樹にまけてる。
やっぱり大樹は強い。
「…空。お前…」
何か言いかけようとした大樹。
だけど、「大樹くん!空くん!すごかったよ!!」
拍手をする白雲。
俺たちにとっては、いつもの事なんだけど…
白雲はなぜか、目をキラキラさせながら無邪気に笑う。
「白雲さん…分かってるわよね?」
看護師さんがそう言うと
白雲はションボリする。
ションボリする姿は
まるで怒られた子犬のようだった。
俺が白雲を見ていたら…
突然、俺の肩を右手の拳で、トン…と触るように大樹は叩いた。
「…?」
「空ゴール見すぎ。他の選手も見ろよ、」
他の選手って…
「大樹しかいねーじゃん。」
「ちげーよ。相手の選手も見るんだよ。
ゴールを見すぎだからすぐにボールとられんのっ」
ゴール…
そんな見てるっけ??
俺は別に気にしなく
また試合が再開した。


