「じゃ、僕は忙しいのでまたね。気をつけて帰ってくれよ。」
そう言い、空き病室から去っていった。
俺は窓を見る。
空は晴れていなく、真っ黒な雲が空を覆っていた。
ーーーーーーーーー…
ーーーーーー…
……
「おーい?空ぁ?」
俺の顔の目の前で手を振る大樹。
「なんか最近ボーッとしてるね?大丈夫?」
購買のパンを頬張りながら大樹は心配そうに聞いてきた。
「別に…大丈夫。」
俺は大樹からもらったいちごミルクをちゅーーっと飲みながら言った。
でも本当に最近、俺はボーッとしてる事が多くなった。
今の白雲と俺との関係が何か分からない。
家族でもなきゃ、恋人でもなく…。
なんか俺的には友達じゃない。
よく分からないけど
胸の辺りが苦しくなる。
大樹には、この気持ちがわかるだろうか?
俺は大樹に聞いてみることにした。
「あのさ…大樹…。」
「何?」
俺は心臓をドキドキさせながら大樹に聞いた。
「俺さ…今…胸のとこらへんがチクチクっていうか…苦しいんだ…
大樹はこの痛みがわかるか?」
大樹はパンが食べ終わっていて、ミルクを飲もうとしたけど
俺のせいでむせてしまったらしい。
「ゲホッ…ちょ…空…おまっ、もしかして…」
大樹は一回考えるフリをして……
「誰を見ると苦しくなる?」
何か思いついたのか質問してきた。
俺はそれに応えた。
「…白雲に……。」
大樹は口をあんぐりとあけていた。
「そ、そっか…やっぱ結局俺のライバルかぁあ…」
と、一人で騒いでいた。


