空に染まる白い雲。




「ここなら、誰もこないだろう…。

それで…君は白雲さんの病気の事を知りたいんだね?」


俺は頷く。














それから、医者の言う事は衝撃的なものばかりだった。









「白雲さんの病気は…今の医学では治せないんだ。

だから、今も何もできないまま
悪化してきている。」





「…?!」


俺はポカン…としてしまった。






え…治せないのか…?




「それならっっ、実はさっき白雲が逃げて俺が見つけるとまるでわからないかのように…

とぼけてたんですよ…あれはなんなんですか?!」




俺は頭がゴチャゴチャして
自分が何を言っているのか分からなかった。







医者の人は目を伏せる。


「多分…とぼけてたんじゃないと思う…

きっと本当に分からなかったんだ。」






分からなかった…



わからなかった…










ワカラナカッタ…のか…?





なんで、こんな胸が苦しくなるんだ…



「それで、"あれ"が…その事で…本人には言わないでほしい…」




俺は医者の目を見ながら頷いた。




「…きっと…。これから、時々記憶がなくなって…

もしかしたら…体も自分の思うように動かなくなるかもしれないんだ……。」






「…えっ……。」




体が動かなくなるかもしれないって事か…










俺なら絶対無理だな…



バスケは常に動いてるし。












「まぁ、君に話したのは君が白雲さんの彼氏だからだよ。」




「えっ!ち、ちがいますよっっ!」





医者は目を見開く。




「そうなの?てっきり。」


そうクスクス笑う。



俺は頬が熱くなるのを感じる。






てか、ダッセーな…俺。




何、マジになってんだろ…