白雲は、俺の腕の中で眠ってしまったようだ。
「あ、先生!未来ちゃんです!」
さっきの看護師と、多分白雲の担当の人が、俺の元へやってくる。
「君、本当にありがとう。こんな時に"あれ"がなったら本当に危なかった。」
"あれ"って……?
俺が不思議そうな顔をすると
その医者はハッとなる。
「いや、何もないんだ…とにかく今は、ベッドに寝かせよう…。」
俺は医者に従い、ベッドまで白雲を運ぶ。
ーーーーーーーーー…
ーーーーーーー…
「えーっと…青嵐くん?本当にありがとうね。」
看護師さんに言われた。
「いえ。」
…そう言うものの
何か引っかかる。
白雲はなぜ、あんなになったのか…
"あれ"ってそもそもなんだ??
俺は寝ている白雲を見る。
やっぱ、なんかの病気なんだよな…。
きっと、知っちゃダメな気がする…
でも知りたい。
俺は医者に話しかけた。
「あ、あのっっ」
病室に響く俺の声。
「ん?どうかしたか?」
「…白雲って…病気なんですよね?」
しばらく長い沈黙が続く。
そして、口を開く。
「ここでは話せない。ちょっと、ここを出ようか。」
俺は静かに頷く。
心臓がうるさくて鳴る。
でもそんな事、どうでもいい。
俺が知りたいから…。
それで、いいんだ。
しばらく歩くと、ある使われていない病室に入る。


