「おいっ!大丈夫かっ?!」
俺がそう呼ぶと、まるでわかっていないような顔をする。
「あなたは……」
なんだ…まるで、本当に分かっていないような顔して…
しかも、俺が分からないみたいに…。
「お、俺?何言ってんだよ。わかってるだろ?」
白雲は不思議そうにして空を見上げる。
急に…
…ポロポロ
と、白雲の目から雫が落ちていく。
「そ、ら。そらくんっ。そらくんっっ」
なぜか何度も俺の名前を呼んだ。
本当に今まで、忘れていたかのように…
でも…本当に忘れてたんじゃ…
俺がそう考える。
「…?!当たり前だろっ。…って、おわっ」
白雲は俺を抱きしめる。
「白雲……?」
そう呼んで…
涙を流す。
俺は…抱きしめ返してもいいのか
迷った。
俺は…白雲の、なんなんだ?


