何も知らない…。
涙が流れる。
走るのもやめて、私はその場で座り込む。
頭が本当に真っ白。
まだ、何も書かれていないただの白い紙みたいだ。
私は上を見上げる。
でも…
空は分かる。
全部が分からないわけじゃない。
でも、空は灰色で…雲は黒く染まっていた。
「…うっ……。」
私はまた、頭が痛くなった。
どうしよう…
私…
なんでここにいるのか分からない。
なんで座ってるの…?
でも、突然…
「白雲っっ!」
誰かがそう叫ぶんだ…。
し、ら…くも…
私は…しらくも……み、らい。
その男の人は
私を見つけると、私の元まで来た。
「おいっ!大丈夫かっ?!」
大丈夫じゃないよ…
「あなたは……」
私はそう言った。
そう…この人は…
「お、俺?何言ってんだよ。わかってるだろ?」


