気づいた時にはもう、体育館からでていた。
「あの…ありがとうございます。」
看護師さんがお礼を言う。
「いや…別に困ってたみたいだったから…」
そう言ったのは…空くん。
私は手首を解放され、自分の手で手首を掴む。
なんか…温かい。
よく分からないけど…すごく、安心した。
「多分、しばらく来ない方がいいみたいっすね。」
そう看護師さんに向かって言った。
なんだろ…
助けてもらったのはいいけど…
さっきから、一度も目を合わせてくれない……
やっぱり迷惑かけちゃったかな…
そしたらまた、頭がズキズキと痛む。
ダメ……お願いだから…
また倒れたくない…
また迷惑かけたくない…
一人になりたい………。
私は胸をおさえ、
「ごめんなさいっっ」
と、謝って
走り出した。
後ろから聞こえたのは…
「おい!待てよっっ!」
だけだった。
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