「なんか可愛い子いんぞーっ!!さっき見たのに気づかなかったー!!」
と、意味の分からない言葉で
男子達は私たちを再び見る。
ど、どうしよう…
これって…まずいんじゃぁ……
そして男子達は私のとこに近づいて行く…。
大樹くんは、アタフタしていた。
私もどうしたらいいか分からなく呆然としていた。
その間に男子は私の周りに群がる。
「あ、あのっ………」
私が声をかけても…
「君、何年何組?」
とか
「可愛いねーっ」
とか
たくさん、一度に喋りかけられる。
私の声なんて届いていない…。
まるで、私に話しかけてるけど…
自分一人みたい…。
私は急に頭がズキン…と痛くなる。
また、だ…。
あの…倒れた日と、同じだ…
誰も手を差し伸べてくれない…
大樹くんは、私を助けようとしてるみたい。だけど、全然届かなくて…
皆の顔がボヤけて見える。
看護師さんも必死に叫んで私の腕をつかもうとする。
私のせいでこんなことになってる。
でも自分は何もできないから
何もできやしないから、ただただ立っていただけ。
……ギュ
突然誰かに手首を掴まれる。