「あれ?先輩たち、嬉しくないんですか?」
一人の一年生が言う。
俺は首を横に振る。
理由は皆、同じだ。
「コーチ、その事ですが…」
三年生の低い声が一瞬にして、皆を黙らせる。
この先輩はキャプテン。
白石先輩。俺の憧れの選手であり、キャプテンである。
「…俺たち…新しいユニフォームは
いりません。」
……
「えーーっ」と、一年生が…。
キャプテンは、キッと睨む。
また静かに…
コーチは白石先輩の話を聞こうと目で合図をした。
「俺たち三年生はこのユニフォームを三年間使ってきました。
このユニフォームは
皆、汗で臭い、汚い。って思ってるかもしれません…」
それから、スゥッと息をまた吸い…
「だけど、このユニフォームのおかげで俺たちが勝ててる気がするんです。
この学校を卒業していった、先輩たちもこれを着て優勝していました。
だから、俺たちもこれを着て大会に残ったし…優勝したいんです。」
先輩の目がすごく真剣なのが、伝わる。
「皆で繋いでいった絆のユニフォームを捨てたりなんかしたくありません。
だから、新しいユニフォームはいりません。」
先輩は言い切ると、そのまま黙り込んだ。
コーチは、先輩を見た後、
俺たちを見渡した。


