俺の頬にはまた涙が伝う。




手なんてさ…まだ温かいよ?まだ生きてるよ??



なんで…??
なんで、今にでも消えそうな顔してんだ?



なんで…

なんで…






笑ってんだ?



今のうち、言わなければ
もう伝えることはできない。




「白雲…俺な今日勝った、よ…っ?

俺さ…白雲好き、…だよ??
わか…る??

白雲は独りじゃ、ない、んだぞ…?」




白雲はそれを聞いてニッコリ笑った。




「…、ぁ…ぁぁ…」


白雲は口をパクパクさせた。

何を訴えてるんだ…?



俺は聞こえるように耳を近づけた。








『ーーーーーーーーー…』



白雲はそう言って…







俺の手からスルリと手が落ちた。






「白雲…?なぁ?白雲?」




だが、俺は白雲のお兄さんに手を掴まれ首を横に振っていた。




辛そうな顔をしている医者は…



「7月30日 午後16時35分25秒
…ご臨終です。」



「う、うああああーーっ」


俺はその場で泣き崩れた。




かほさんも白雲のお兄さんに抱かれた。








俺の恋は儚く散ってしまったーー…