なんで、こううまくいかねぇんだ…っ
俺は自分の左手首を見た。
赤く腫れ上がっていた。
ボールは相手チームが取ったが…
ピーーーッ
と、ホイッスルの音が耳をつんざくようにうるさく響く。
試合にストップがかけられた。
俺は点を見る。
なんだ…同点じゃん…。
試合時間だって、あと七分だし。
俺はベンチに急いだ。
コーチが見る中、皆はそれを見守った。
「空。お前はベンチに「俺出ます!!」
コーチの言葉を遮る。
「あと、七分なんですよ?俺はこの試合で勝たないといけないんですっ!だから!どうか出させてください!」
俺は必死に願い頭を下げた。
ドキドキとうるさい心臓の音。
それから聞こえたのは…
「誰か、空の手首をテーピングしてやれ。なんかリストバンドみたいなのは?ないのか?」
静かな声で言い放つコーチ。
コーチに言われた通り素早く動くキャプテンはテーピングを持っていき
俺の左手首に巻く。
「空。お前が勝たなきゃいけない理由は?」
キャプテンに真剣に聞かれる。
「ある女の子の記憶の中にいつまでも俺がいるようにです。」
にかっと笑えば、キャプテンもにかっと笑い俺の肩にぽんと手を置き、俺の元を去る。
リストバンドはいらないか…
そう思った時…。


