「白雲。」
俺が呼んであげると
また弱々しい力が俺の手を握りしめた。
ーー…「白雲さんが、起きたんだって?!」
たちまち低い声が病室に響く。
俺が振り返ると
そこには、白雲の担当医とかほさんが
息を切らしながら俺たちを見ていた。
「はいっ、あの…俺が手を握って…それで…」
さっきあった事を、白雲の涙を拭いであげながら素直に話した。
「…本当はもう意識がなくなっていいはずだし…3日前から、本当は全神経が自分の思いどうりに動かないはず…」
俺はそんな事実を知って、思考不能になった。
意識が…なくなる??
体が自分の思いどうりに動かないのは前から知っていた…。
けど…
「意識が…って?」
俺が震える声で言えば…
かほさんは目を伏せた。
担当医は俺の瞳を捉える。
「意識がなくなっていいはずっていうのはね…、」
この先はもう…聞きたくなかった。
俺の中でも、分かっているから。
そんなの知ってるのに…
認めない自分がいた。
「もう…いなくなってもおかしくない…死んでいいはずなんだ…」
…っ
俺は白雲の手を強く優しく握りしめた。
白雲が、いなくなる??
意味がわからない。
なんで、いなくならなきゃいけないんだ??
白雲は何も悪いことをしていないのに…
あまりにもこの世界は残酷だ…
死ぬなら、悪い奴らだけでいいじゃないか。
なんで、悪くないやつが死なないといけない??
こんな狭い病室の中で、白雲は死ぬのか?
もっと、羽ばたかせればいいのに…
自由に生きればいいのに…


