「『空くんに会いたいなぁ…』って…、言ったんだ…?」


空くんは涙を堪えているのか

目に涙を溜めていた。









「…。」

…本心をたまたま口にしただけなんて
言えるわけない…。


「そうやって黙るから俺、期待するんだっ…離れて、言うなら

もっかい、離れて、言ってくれよ。」





私は一回息を吸い…


「はな、れてくださ、い…」





ちゃんと空くんに届くよう
そう告げた。








空くんは眉を下げ

「わかった。じゃ、さっきの告白もなしな…。んじゃ、また…





いつか、な。」




そう静かに言えば



空くんは病室から出て行った。